「すぐ死ぬんだから」ドラマ化で思い出しました!
今から2年ほど前に、新聞広告で「すぐ死ぬんだから」大反響!・・・が目に留まり、作者が内館牧子さんということもありすぐに読みたくなり買い求め、むさぼるように読んだのを思い出しました。
人生100年時代の新「終活小説」をドラマ化!
プレミアムドラマ「すぐ死ぬんだから」
この文字を目にして、再度読んでみました。
最初に読んだ時から2年経過し、 本の冒頭の方で、「孫自慢に、病気自慢に、元気自慢。
これが世の爺サン、婆さんの現実だ。」 とありますが、ミルクの現実もこの通りで、これに年金の話がついてくるといった感じです。
本のあらすじ
主人公のハナは、ある日娘と出かけたブティックで実年齢より上に見られたことで、今までは生活に手いっぱいで自分に手をかけることをしてこなかった、外見を磨くことに不精だったと気づき、自分磨きに目覚めるのです。
そんな妻を夫の岩造は「ママの加齢に対する意識の高さ、忘れてほしくないね」と妻のよき理解者でありました。
55年連れ添った夫の岩造が、あっけなくこの世を去ります。
夫の死を乗り越えようとするハナ、そんな時に夫の遺言書が見つかりその中に愛人がいてその愛人との間に子供のいたことが書かれていました。
愛人との間の子供は今年36歳になると書かれてあり、少なくとも40年近くも信じていた夫にだまされていたことになるのです。
ハナの生活が一変します。
それまで信じていた夫の裏切りへの怒り、愛人とその子供への怒り家族とのありよう。
怒りにまかせて愛人への腹いせの言葉を投げかける。
しかし、怒りにはやめ時がある。恨みにも憎しみにもやめ時がある。
もうやめようと決めるハナ。
孫の「老人はフェイドアウトする意識がすげえ大事ってわかるよな」の言葉に、老いて衰退の意識を持った後の生き方を模索していくことになるのです。
読み終えて
信じていた夫にハナのように裏切られたら、どのように生きてゆくのだろうかと考えさせられました。
物語全般を通してハナの物言いの小気味よさが、話のリズムを作り読み手の私の胸をすっとさせてくれて、なにが起きても生きてゆけると思わさせてくれます。
人生の紆余曲折を乗り越え、「息だけ吸って白い箱を待っているわけにもいかない。先は長い。先はないのにだ。」と、今後の生き方を模索するハナには女の強さを感じました。
あとがきは、今の私に響きました。
自分が自分に関心を持って生き「品格のある衰退」のできる人となれるように生きてゆきたいです。